心と体

腸!いい話 病気にならない腸の鍛え方 伊藤 裕著 朝日新書

http://www.amazon.co.jp/%E8%85%B8%EF%BC%81-%E3%81%84%E3%81%84%E8%A9%B1-%E6%9C%9D%E6%97%A5%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%BC%8A%E8%97%A4-%E8%A3%95/dp/4022734272/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1325504788&sr=1-1

腸内細菌に興味を持って読んでみた。先に読んだ「こころの免疫学」ほどの感銘は受けなかった、みたような話題が羅列してあるような感じを受けた。書評を二つほど見かけたが絶賛してあった、それ程の本とは思えない。たとえば、
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血液が配分される割合は、消化器30%、腎臓20%、脳15%、骨格筋15%。

腸と腎臓が最も早く老いる。

慢性腎臓病だと心不全、脳卒中の確率も増える。

人間は食べ物を調理することによって、消化管が小さくなった。そのために、脳にエネルギーを沢山配分できるようになった。

運動することで筋肉が酸素不足になると血管拡張ホルモンがでてミトコンドリアを増やす。

腸内細菌は100兆個、100種以上、1kg以上。

免疫グロブリンの半分は腸管で作られる。

脂肪細胞は白血球やリンパ球に刺激されると、変身して高血圧、糖尿病、脂質異常症を起こすホルモンを出して、メタボリックシンドロームを起こす。

低血糖になると、交感神経が過剰に興奮して、心筋梗塞、脂肪細動、などが起こる。

糖尿病の新薬インクレチンは小腸から分泌される。

便秘は老化の表れ、食物繊維を取れば防げる。

おなかが空いてくると胃から分泌されるグレリンはミトコンドリアを増やして細胞を元気にする。

インスリンが効きすぎると、寿命が短くなる。

大腸がんは現在の女性のがん死亡原因の第一位。

40歳以上の日本人の7割以上がピロリ菌保菌者、世界平均は4~5割。ただし、ピロリ菌除菌者には食道炎・食道がんの発生が多いという報告や、小児ぜんそく、アレルギー性鼻炎、皮膚アレルギーの発生率が高いという報告もある。

食事量を普段よりも2・3割減らすとすべての生命体で寿命が延びる。心血管病、糖尿病、がんも減る。そのためにはいつもおなかが空いている状態にすると良い。

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「こころの免疫学」藤田紘一郎 新潮選書

http://www.amazon.co.jp/%E3%81%93%E3%81%93%E3%82%8D%E3%81%AE%E5%85%8D%E7%96%AB%E5%AD%A6-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E9%81%B8%E6%9B%B8-%E8%97%A4%E7%94%B0-%E7%B4%98%E4%B8%80%E9%83%8E/dp/4106036843/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1324727870&sr=1-1

こころと身体の関係を腸内細菌を軸に語る。示唆に富んだ本。たとえば、

国際的には抗うつ剤の投与は一種類であるが、日本では多剤併用が広く行われており、副作用の発生が見られている。また日本では2000年頃から精神科を専門とする診療所が急速に増えた。
新しい抗うつ剤も開発され、副作用がないと宣伝され、大量に使われるようになった。

「楽しい」、「嬉しい」、{やる気」などに関係しているドーパミンも、もう一つの脳内物質セロトニンも、それらの前駆体を作っているのは腸内細菌である。また腸内細菌が減少すると免疫力も低下する。

「こころの病」は脳だけの問題ではなくて食べ物や腸内細菌を含めた体全体の問題である。

イタリアでは2000年までに全国の公立の精神病院をすべて廃止した。こころの病気は病院で治すのではなく、患者同士、精神保健センターのスタッフ、地域住民、とのコミュニケーションを通じてケアすることに切り替えた。

たくさんの腸内細菌がバランスよく腸内に存在していないと、脳内に「幸せ物質」は増えない。うつ病患者などの腸内細菌は少なく、バランスも良くない。

日本人の腸内細菌の量が最近激減している。腸内細菌の餌となる植物繊維の摂取量が減っているからではないか。

日本人は自殺率が高い。メキシコの自殺率は日本の6分の1以下。メキシコは食物繊維を多くとっている。あと、トマトと唐辛子。

豚に乳酸菌を混ぜた餌を与えると、病気に罹りにくくなり、おとなしく、人になつくようになった。臭いも少なくなった。

ドーパミンは好きになって止められないものを記憶する。男女間の深い愛情関係を作り出す。セロトニンも幸福感を作り出す。これが足りなくなると疲れやすく集中力が持続できなくなる。
ドーパミンやセロトニンを脳内に増やすにはタンパク質と腸内細菌が必要だ、そしてストレスを受けないようにする。

著者は糖尿病になり、糖質制限を行ったところ、血糖値のほか中性脂肪が減り、善玉コレステロールHDLが増えた。うつ気分になることと感情が爆発することがなくなった。

うつ病の原因として、糖質のとりすぎを挙げる人もいる。

コレステロール値は高いほうが長生きする。コレステロール値の低い人に自殺、他殺、事故死がおおい。うつ病患者はコレステロール値が低い。コレステロール値を下げると心筋梗塞は減るが、がん、自殺、事故死の増加により全体として全死亡率は7%増加した。

認知症、特にアルツハイマー型では多価不飽和脂肪酸を含んだ食事(ゴマ油、青魚、大豆油)が、その予防や進行を遅らせるのに有効である。
毎日、魚を食べる人の自殺の危険性は有意に低い。

コーヒーフレッシュはトランス脂肪酸の固まり、ショートニングも。アメリカ・韓国他ではトランス脂肪酸の表示が義務付けられているが日本はまだ。

精神病院を廃止したイタリアでは犯罪は増えていない。アメリカでも司法精神病で約10年の間に700人の患者が社会に出たが、その犯罪率は非常に低い。

うつ病等の「こころの病」は神経系・内分泌系・免疫系によって成立している個体統御システムの破綻によって起こる。「こころの病」の改善や予防のためには「免疫を高める」ことが不可欠である。
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非常に教えられることが多かった。

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「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」宮本輝・江部康二

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対談であり読みやすい。

例によって「糖質制限食」のお話。

ちょっと変わっているのは、「糖質制限食」が糖尿病治療以外の効果があるということ。例えば、

癌、アルツハイマー、アトピー性皮膚炎、膠原病、そして髪の毛が太くなる、という。
ここまで来るとちょっと「はてな?」。

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糖尿病はご飯よりステーキを食べなさい 牧田善二 講談社α新書

これは良い本です。血糖値高めの人は是非読むべきだと思います。従来の糖尿病治療の誤り、それをどのように変えるべきかが説かれています。

日本人の糖尿病は激増して居ます。10年間で1.6倍になりました。3人に一人は糖尿病の時代が来る、と言っている人も居るそうです。

まず、アジア人は欧米人よりも、糖尿病になりやすい体質である。しかも日本食が糖尿病には良くない。心臓病、高血圧症にはよいが、糖尿病には良くない。それは低カロリーではあっても、高炭水化物だから。

カレーライス、寿司、ラーメン、蕎麦、丼物は食べてはいけないそうだ。しかし、ステ-キは食べても良い。炭水化物でなく、蛋白質だから。

著者の糖尿病治療法は患者の自己管理であり、患者自身が家庭用の血糖値測定器を使って、食後に血糖値を測って、何を食べれば血糖値が上がり、何を食べれば血糖値が下がるかを、自分で納得して食事療法を行うことを勧めている。合理的だと私は思うが、現在の日本の標準的な治療法ではない。

大体日本国内で血糖値測定器を買うのは難しい。普通の町の薬局では置いていない。取り寄せようともしない。「医者の処方箋がないと売れない」と言うが、これが大嘘。薬局の方が許可を取らないといけないのだ。私の町で売っている店を終に見つけて教えてもらった。

著者は血糖値コントロールは患者に任せ、医者は合併症を起こさないように指導し、もし起こったら適切な治療を行うことを狙っている。

合併症の詳細は省くが、失明・尿透析・神経障害である。これを起こす物質はAGE(Advanced Glycation End-products
終末糖化産物)である。これが毛細結果に詰まることが原因で様々な症状がでる。

これを食べなければよいのだが、それが至難の業、おこげの類がいけない。醤油につけてこんがり焼いたものがいけない。トーストもいけない。フランクフルトソーセージをこんがり焼いたものは最悪。タバコの煙もいけない。等。なるべく熱を加えていないもの、生のまま食べることを推奨している。

AGEはアルツハイマー、パーキンソン、動脈硬化、骨そしょう症、しみ、しわ、たるみ、の原因となる。

しかし、糖尿病合併症はヘモグロビンA1cが6.5以下であれば発生率が減って殆ど起こらなくなる。

幸い私は先日の検査で6.5になったので、危険は多少遠のいた。2ヶ月前の検査では7.1だった。

(その後、最低5.8)

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男性の未来

先日のNHK総合テレビ「女と男」3回シリーズは面白かった。特に第3回は表記が主題で興味深かった。

見ていない方のために、私なりの内容紹介をすると、

1.女と男を決めるのはX染色体とY染色体。女はX染色体が二つ対になり、男はX染色体が一つにY染色体が一つ。
染色体は常に様々な理由から傷ついているが、女のX染色体は対になった時に修復されるので原型を保つことが出来る。ところがY染色体は対になるこ とがないので、修復されることがなく、壊れたら壊れっぱなし。その結果、X染色体は遺伝子を2000前後含むのに、Y染色体は僅かに76個。したがって、 大きさはX染色体の四分の一位しかない。

この傾向を外挿すると、Y染色体は50万年後には消滅する。すなわち男性絶滅。哺乳類は全滅することになる。

ここに例外がある。トガリネズミ。

彼らは既に雄が絶滅しており、雌しかいない。しかし、種としては存続している。何故か?

そもそも哺乳類の特徴は胎盤によって母体から胎児に栄養補給を行う所にある。この胎盤を作るのには、Y染色体に含まれる遺伝子が必要だった。どうやらトガリネズミではY染色体以外の染色体が胎盤を作るように指令しているらしいとのこと。その詳細は不明。

したがって、男が絶滅しても女だけで子どもを作れるようになる可能性がないわけではない。しかし、その時、進化はどうなる?

2.精子
人間の精子はその数がドンドン減っている。そして活動性も下がっている。ところがボノボ(ピグミーチンパンジー)は数も多いし活発に動いている。 それはどうやら、彼らが乱婚するためらしい。雌は同時に多くの雄と交尾する。その結果、メスの体内では、異なる雄の精子同士が競い合うことになる。その結 果、活発な精子を数多く作り出せる雄の子孫が生き残った。

そこへ行くと、人間は一夫一婦(建前は)。これでは精子間の競争は生まれない。そこで精子は不活発になり、数も減った。更に生殖医療が発達し、試験管ベイビーが生まれるようになると競争は皆無になる。これがさらに精子の退化を促すだろう。

大変刺激的な内容だった。以下はその感想。

1.Y染色体が縮小する過程で失われた男性の特質は何か?遺伝子に多くのゴミ部分が含まれているのは知られているが、失われた部分がゴミ部分のみだったと は考えられない。貴重な特質もあったのではないだろうか?ひょっとして、最近の男性に男らしさを感じることが少ないのはこの所為では?(幸いこれはありえ ない。Y染色体が縮みだしたのは、有史時代よりも遥かに前の筈だから)

とは言ったものの、有史以前人類、原人の遺物からDNAは採取できないのだろうか?それが出来たら是非Y染色体を現代人のものと比較してもらいたい。

ついでに、Y染色体は全人種で同一なのだろうか?人種によって違うとすれば、Y染色体の縮小は人類がアフリカから出て東と西に分かれた後にも起っていたことになる。

2.Y染色体が全哺乳類で同時にシンクロして縮小する必然性はない。人間の雄のY染色体を少しでも安全に保存するには何をすべきか?多分放射能が一番悪いでしょうね。麻薬も悪そうだ。

3.人類が女だけになっても存続できるためには、トガリネズミ方式(Y染色体以外の遺伝子で胎盤を作る)を採用すれば良い。この研究を進めるべきだ。しかし、女だけの世界とはなんと勿体ない世界だろう。

4.精子の減少、不活化を防ぐためには女性が乱婚を受け容れなければならない。案外これは実現しそうだ。現在も一部の女性はそうのような傾向にあ るのかもしれない。男性は?太古の昔はそうだったのだから、その時代に戻るだけ?しかし、そうなると社会の秩序は崩れそうだ。そちらの面からそのような集 団は長続きできずに滅亡しそうな気がする。

5.生殖医療はやはり悪魔の技術だったか?

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サヴァン症候群

ご存知、天才自閉症児、と言うよりもアスペルガーか?

先日脳学者茂木健一郎氏がテレビで3人の著名なサヴァンを紹介していた。名前は忘れたが、一目見た見た風景をスケッチできる画家(彼は国から勲章 を貰った)、円周率を20万桁以上覚えている暗算の名手(彼は数字が風景に見えると言う)。読んだ本を一字一句暗記できる人(彼の趣味は図書館で電話帳を 見て記憶していなかった新しい番号を見つけること)

つまり、自閉症またはアスペルガーと呼ばれるような対人関係に関する欠陥を持ちながらも、特異な分野では異常に高い能力を発揮する人たちである。なお最後の人は映画「レインマン」のモデルになったのだそうだ。

彼らの特徴は日常生活では全く無能だと言うことだ。特に他人の気持ちを察することが不得手なので、社会生活が円滑にできない。それと引き換えに特異な能力を身に付けたとも言える。

しかもその多くの能力は現実の世界では余り意味を持たない。役に立たない能力なのだ。例えば最後の例では彼は自分で髭も剃れず全て80歳を越えた父親にやってもらっている。父親が死んだらどうなるのかは分からない。

最初のスケッチの名手は確かに正確なスケッチを書く。窓の数がぴったりあっていると言ってコメンタイターが驚いていたが、絵の価値はそんなところ にはない。私の目から見ると彼の絵は正確だが詰まらない絵だ。写真と変わらない。構図に工夫がなく、強調する所と省略する所のメリハリがない。

最後の人は脳梁が先天的に掛けていることが分かった。しかしそのことと特異な記憶力との関係は分かっていない。

人間の脳は素晴らしい可能性を秘めている例としてプロデューサーはこれらの例を上げたかったようだ。しかし私にはそうは思えなかった。彼らがこれ らの(役に立たない)能力を手に入れるために捨てなければいけなかった能力の大きさを思えば、むしろ、人間の能力の総量は皆同じなのではないか?と思えて しまう。

アインシュタインやモーツアルトがかなり得意な人格であったことはよく知られている。そこから彼らは自閉症またはアスペルガーではなかったのか? と言う人もいる。もちろん精神的な障害はどちらかに画然と分かられるものではなく、多くの中間領域がある。彼らが自閉症またはアスペルガーに近い障害を 持っていた可能性は否定できない。しかしこのことは彼らの業績に汚点を付けるものではなく、むしろ彼らの偉大さを証明するものではないかと思う。というの も多くのサヴァンと違って、彼らの業績は確かに我々の実生活を豊かにしているからだ。例え彼らが多少普通人と違った人格を持っていたとしても。

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