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「こころの免疫学」藤田紘一郎 新潮選書

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こころと身体の関係を腸内細菌を軸に語る。示唆に富んだ本。たとえば、

国際的には抗うつ剤の投与は一種類であるが、日本では多剤併用が広く行われており、副作用の発生が見られている。また日本では2000年頃から精神科を専門とする診療所が急速に増えた。
新しい抗うつ剤も開発され、副作用がないと宣伝され、大量に使われるようになった。

「楽しい」、「嬉しい」、{やる気」などに関係しているドーパミンも、もう一つの脳内物質セロトニンも、それらの前駆体を作っているのは腸内細菌である。また腸内細菌が減少すると免疫力も低下する。

「こころの病」は脳だけの問題ではなくて食べ物や腸内細菌を含めた体全体の問題である。

イタリアでは2000年までに全国の公立の精神病院をすべて廃止した。こころの病気は病院で治すのではなく、患者同士、精神保健センターのスタッフ、地域住民、とのコミュニケーションを通じてケアすることに切り替えた。

たくさんの腸内細菌がバランスよく腸内に存在していないと、脳内に「幸せ物質」は増えない。うつ病患者などの腸内細菌は少なく、バランスも良くない。

日本人の腸内細菌の量が最近激減している。腸内細菌の餌となる植物繊維の摂取量が減っているからではないか。

日本人は自殺率が高い。メキシコの自殺率は日本の6分の1以下。メキシコは食物繊維を多くとっている。あと、トマトと唐辛子。

豚に乳酸菌を混ぜた餌を与えると、病気に罹りにくくなり、おとなしく、人になつくようになった。臭いも少なくなった。

ドーパミンは好きになって止められないものを記憶する。男女間の深い愛情関係を作り出す。セロトニンも幸福感を作り出す。これが足りなくなると疲れやすく集中力が持続できなくなる。
ドーパミンやセロトニンを脳内に増やすにはタンパク質と腸内細菌が必要だ、そしてストレスを受けないようにする。

著者は糖尿病になり、糖質制限を行ったところ、血糖値のほか中性脂肪が減り、善玉コレステロールHDLが増えた。うつ気分になることと感情が爆発することがなくなった。

うつ病の原因として、糖質のとりすぎを挙げる人もいる。

コレステロール値は高いほうが長生きする。コレステロール値の低い人に自殺、他殺、事故死がおおい。うつ病患者はコレステロール値が低い。コレステロール値を下げると心筋梗塞は減るが、がん、自殺、事故死の増加により全体として全死亡率は7%増加した。

認知症、特にアルツハイマー型では多価不飽和脂肪酸を含んだ食事(ゴマ油、青魚、大豆油)が、その予防や進行を遅らせるのに有効である。
毎日、魚を食べる人の自殺の危険性は有意に低い。

コーヒーフレッシュはトランス脂肪酸の固まり、ショートニングも。アメリカ・韓国他ではトランス脂肪酸の表示が義務付けられているが日本はまだ。

精神病院を廃止したイタリアでは犯罪は増えていない。アメリカでも司法精神病で約10年の間に700人の患者が社会に出たが、その犯罪率は非常に低い。

うつ病等の「こころの病」は神経系・内分泌系・免疫系によって成立している個体統御システムの破綻によって起こる。「こころの病」の改善や予防のためには「免疫を高める」ことが不可欠である。
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非常に教えられることが多かった。

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