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農民も土も水も悲惨な中国農業 (朝日新書) 高橋 五郎 要約2

4.
都市生活者に比べると農村戸籍の農民工の賃金は低い。社会保障や子供の教育でも差別されている。それだけに農民工には不満が鬱積している。一方、 中国企業の従業員教育、管理、研修のレベルは低い。その結果、製品に対する衛生管理、安全管理、品質チェックなどで問題が起こる可能性が高い。有名な ファーストフード店でも廃油状態になった油でフライを揚げている。ハルピンの食堂で機械油で炒めたなすを出されたことがある。野菜を洗わないで調理するレ ストランも多い。つまり農薬まみれ。

村には「村民委員会」がある。ここで一番権限があるのは地方共産党委員会から派遣されてくる共産党書記、次が俗に村長と呼ばれる「主任」。主任は 選挙で選ばれるが、共産党の推薦を受けたものが当選するのが普通なので実質的には官制の組織である。主任が自分の会社を臣民委員会の建物の中で経営してい る場合がある。中国では日本のように企業と行政が峻別されていない。公私の別も明らかでない。

現在僅かな補償金で農地を収用された「失地農民」は4000万人を越えたと言われる。今後中国で農地の私有化が実現しなければ、農民による家族農業は崩壊するだろう。

5.
乳製品へのメラミン混入事件以後、世界の中国食品への見方が一変した。韓国、シンガポールは中国の乳製品の輸入を禁止した。そして三鹿集団を含む中国の農業竜頭企業の倒産が続いた。そこにこの世界金融危機である。

中国企業では自社の状況を充分に把握出来ていないので、業績悪化に早い段階で手を打つことが出来ず、突如倒産するケースが目立つ。
内需振興が謳われているが中国農民の現状を見ると、農村部の需要が急激に増えるとは思えない。
大卒の就職難が若者の夢を奪っている。このような若者の変質が経済発展の力を奪うのではないか。

では、日本は中国からの輸入食品抜きでやっていけるのか?応えは「ノー」。
日本の加工食品は複雑な国際商品である。多くの国の産物が多くの国の作業によって作られている。正確な山地の表示は加工食品については殆ど不可能 なのだ。中国からの輸入食品が減少しているのは一般の消費者であって、外食産業などは中国からの安い食材がなければやっていけない。

各国は中国からの乳製品輸入を中止したが、代替国はない。輸入が止まったのは消費者の目に見える完成品だけで部品に当たるものは輸入されている。そしてその完成品は「日本製」と表示される。

6.
日本農業の問題は、農地法で農民でなければ農地を所有できないことになっているところにある。農地法のこのような規制を緩め、農民以外のものが自由に農業に参入できるようにすべきだ。そして農家が農地を非農地に転用することを規制すべきだ。

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