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ワクチン後進国日本の惨状

岩垂広・週刊東洋経済 2009.5・2-9

豚インフルエンザで俄かにワクチンに関する議論が増えてきた。この記事は多分「豚インフルエンザ」問題以前に書かれたものだろうが、官僚組織による日本の遅れに慄然とする。以下にその内容を紹介する。
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昨年12月、日本で20年ぶりの新規ワクチン「アクトヒブ」が発売された。これはHib感染症を予防する小児用ワクチンで120カ国以上で既に使われている。日本では米国よりも20年以上遅い発売だった。

ワクチン売り上げ世界首位の小児用肺炎球菌ワクチン、子宮頸がん予防ワクチンも承認申請中。しかし、ロタウイルスワクチンや帯状疱疹ワクチンは欧米諸国では発売されているが、日本では承認申請も行われていない。

日本では1987年の水痘ワクチン以来、世界標準といえる新規ワクチンが承認されて来なかった。

いままでワクチンの副作用で国が訴えられると、殆ど国が敗訴してきた。それで担当課長は任期中にリスクを取りたがらない。責任を行政担当課だけに 負わせずに、米国の米国予防接種諮問委員会のように行政、医師、研究者、公衆衛生専門家、消費者からなる委員会が承認・普及を促す仕組みを作るべきだ。

しかも、日本のワクチン行政は局をまたいで細分化されている。

米国では、米国予防接種諮問委員会の勧告に基づいて関連法が継続的に改訂されているが、日本では主要な予防接種法の改訂は14年前に行われたきりで、この間、新規ワクチンが一つ予防接種計画に加えられただけ。

接種費用の問題も大きい。日本では定期接種ワクチンはインフルエンザを除き原則全額公費負担だが、諸外国に比べて種類が少ない。任意接種の費用は高い。その結果、定期接種ワクチンの接種率95%に対して、任意接種ワクチンのそれは約30%止まり。

WHOの分析によると、米国のケースではワクチン接種費用1ドルにつき、2~27ドル相当の医療費が削減できると言う。だが、日本ではワクチン公費負担の出所は自治体の一般財源であり、医療費を削減しても自治体の財源に恩恵は無い。

一方、定期接種に入れられるかどうか分からないことが、メーカーにワクチン開発投資をためらわせている。

日本では1976年の麻疹・風疹ワクチン以後新たに定期接種に組み込まれたものはない。
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相変わらずのお役人のエゴ。まったく日本はどうしようもない国に成り下がったものだ。我々が諦めずに声を上げ続ける以外にないのだろう。

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