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「貧困大国アメリカ」堤未果

日本で所得格差が広がっていると言われる。私もそう思う。しかし、これを小泉政権の責任のように言う人が多いのはおかしいのではないだろうか?5年ちょっと総理大臣をやった位で変えられるものではなかろう。

これは現代資本主義が陥りやすい罠であって、この弊害を防ぐには周到な政策が必要なのだろう。それは一面セーフティネットであるが、実は企業に対する規制が必要なのではないかと私は思っている。企業に無制限の自由を享受させては多分いけないのだ。

格差拡大を小泉政権の責任にする人たちには2グループあると私は思う。旧体制温存を願う自民党守旧派と左翼系だ。正反対の立場にあると思われる2グループが殆ど同じことを言うので、聞く方は余程注意して聞いていないと、論者の真意を見誤ってしまう。

最近同じことを思ったのが、「貧困大国アメリカ」堤未果を読んだとき。

4ヶ月で12刷ということは随分ヒットした本のようだ。そこでどんな本なのか読んでみた。

題名から分かるようにアメリカの暗部をルポ中心にまとめた本。貧困層の現状、医療の現状、そして貧困層に対する軍のリクルート。

ルポ中心なので、困窮者に直接インタビューしてその発言を記録している。彼らの語る内容、何が起ったかという事実は興味深い。しかし困窮している当事者に、原因や対策を聞いても近視眼的な回答しか得られないのが普通だと私は思う。しかし、著者はそう考えていないようだ。

当然、市場主義、民営化がいけない、と言うことになる。キューバの方がアメリカより良い、と言う発言がある。本気か?著者はまだ社会主義社会が理想の社会だと思っているのか?

現在のアメリカ資本主義が多くの問題を抱えているのは事実だ。これは直さなければいけない。それにはどうしたら良いのかが問題なのであって、民営化を眼の敵にするのは的外れだと私は思う。

アメリカ資本主義の欠陥をどう是正すべきか、と言う議論が必要なのであって、民営化は全ていけないような極論は誤りだろう。

読んでいて私は「政治的なプロパガンダ」を感じた。その点に気をつけて読めば、アメリカ貧困層の現状について得る所は大きい。

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